負けん気でなら
投稿日: 2015年3月2日 カテゴリー: みんなのお話
利用者さんと奈良にいきました。
疲れたら車椅子にもなるすぐれものの歩行器で。
奈良についた時点で車椅子に座られてました。90年も歩いてきたんだからそりゃあ疲れる。
うろうろしていて、日本庭園を見つけました。
「感じがええから入ろうか」
と利用者さん。
入口までが飛び石の四角い石畳と砂利で
「車椅子では難しいかな…」というと
「じゃあ歩く」
との事。よし!行ってみるかと気合を入れて、石畳のすき間は車輪をヘルパーが持ち上げ、ご本人がゆっくり歩行器を押して入口まで。
「いけたいけた~」と二人で喜んでいると、受付の方が
「中は無理ですよ。石の階段だし、狭いし無理です。」
なんか、悲しい言われ方だなあと思いつつ、先に受付の人に確認しなかったヘルパーの私がいけないと反省していると
「入られへんて言うとるのか?しゃあないな」と利用者さん。
「ごめんなさい、先に聞きに行けばよかったね」
利用者さんは歩行器の向きをくるりと変えて
「こんなしょうもない所見てもしゃあない!いこいこ~」
受付の人に聞こえるぐらいの結構な音量で。(すごいぜ、この人…石の階段に勝った気がする)
ヘルパーの反省をちょっと置いといて、なんかありがとう。受付の人巻き添えですんません。
そして
「しょうもない、しょうもない」を連発しながら
石畳を再び気合で去っていく二人でした。
東大寺の近くの鹿には
「鹿!噛むなよ 噛むんじゃないぞ!」を連発。
はしゃいで道を歩く外国の子供には「ハロー、ストップ 落ち着け!」
強気の奈良道中、楽しまれてたと思います。